私の交友録 9.

グレッグ・ムーア Gregory Moore

体の小さなモータウンのスーパー・ギタリストがグレッグだ。

マービン・ゲイやスティービー・ワンダー、アース・ウィンド・アンド・ファイアー等の、巨匠と呼ばれるアーティストを長年に渡りサポートしており、その見事なカッティング奏法、心地良いリズムには魅了される。人柄はきわめて温厚、控えめで優しく、インテリジェンシーあふれるミュージシャンである。

とにかくギターを弾く事が好きで好きでたまらないという彼は、ギターと時間さえあれば、いつまででも演奏している。仲間を大切にし、決して自分を出し過ぎることもなく、しっかりと自分のパートを固めて音楽の芯を創っている姿は、パフォーマンスをすることが好きなアメリカのミュージシャンの中では異例だと言える。バランスの良いクリアーなサウンドを好み、シングル・コイル系のピックアップ付きエレキ・ギターでシャープな演奏をする彼は、その小さな体でステージ一杯に躍動する。彼には今まで3本のギターを製作し手渡している。

グレッグの息子はコカ・コーラのコマーシャルに出演していた事がある。奥さんも作家として単行本を出版していたり、家族そろってそれぞれが特異な才能を発揮している。そしてグレッグ同様、皆人柄がおおらかで素晴らしい。家族を通し、グレッグの品位ある高い水準の教育家的な面を垣間みるようである。浮ついたところがどこにも見つからない、こんなミュージシャンは世界でもめずらしい。

(一番上の写真:グレッグは右端し)

文 椎野秀聰

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